津野麻亜邪さん

株式会社バルセロナ 取締役CHO(最高人事責任者) 津野麻亜邪

札幌・すすきのでニュークラブを運営するバルセロナで、人事部門を統括する津野麻亜耶さん。彼女がこの仕事を選んだ背景には、夜の街で働く女性に対するマイナスイメージを覆したいという強い思いがある。転職から4年、30歳の決断を麻亜耶さんはいま、どう振り返るのか。コロナ禍を経た先にある、麻亜耶さんが思い描く未来とは――。

コロナ禍こそ、ニュークラブの存在価値が輝いた

 津野麻亜耶さんが働くのは、札幌・すすきのでニュークラブを運営するバルセロナ。すすきのでニュークラブと呼ばれる店舗は、本州ではいわゆる「キャバクラ」のことを指す。
 コロナ禍では「夜の街」と呼ばれ、大きな逆風の中にあった業界でもある。バルセロナでも2020年の売り上げは減少した。一方で、「こんなときだから」と来てくれた常連客も多かったという。

 「ニュークラブの業界は、世の中からあまりいいイメージを持たれていません。でも、提供している価値はすごく大きいと私たちは自負しています。
 振り返ってみて、コロナ禍こそ、実は私たちの存在価値が輝いたのではないか、と思っています。職場がファーストプレイス、家庭がセカンドプレイスだとしたら、ニュークラブはサードプレイスだと私たちは定義しています。リモートワークで人と会わなくなり、職場と家庭が一体化してしまった人も多い。家庭内暴力が増えたというニュースもありましたが、やはり第3の場所が必要だと思うんですよね」

 ニュークラブは、素の自分でいられる場所。「人には本来の自分を開放できる場所が必要」と麻亜耶さんは言う。
 「社会的に地位のある方が、お店では赤ちゃん言葉で話すこともありますし、VIPルームに入った瞬間に踊り狂う人もいます。特にニュークラブは、コロナ禍で居場所を失った人から求められたのではないかと思っています」

 これはバルセロナの業績にも表れており、2020年に売り上げが落ち込んだものの、21年、22年は10億円ずつアップしている。
 「いま、バルセロナの社員の平均年齢は27歳なんですよ。その若さで数十億円を売り上げるってすごくないですか? 本当にわくわくしながら仕事をしています」

急成長に耐え得る組織づくりを

おすすめの記事