工藤さんショート

2018年に福岡県北九州市にある動物園「到津の森公園」に転職。動物園にいる約80種470頭羽の動物たちのお世話をする飼育・展示スタッフとして働き始めました。

生まれ育ったのは鹿児島市。家ではハムスターやシマリス、モモンガなどを飼っていて、子どもの頃から動物が大好きでした。大学では昆虫の研究に熱中し、大学院時代にはアリを研究するためにマレーシアのボルネオ島へ。

動物に関わる仕事をしたいという夢を持ち続けていたものの、動物園の飼育スタッフは狭き門です。修士課程修了後はまず、コミュニケーションスキルを養うために屋久島で環境指導員として働くことに。宿泊学習に訪れる小学生と一緒に森の中を歩き、自然や生き物について学んでもらうような仕事に就きました。
チャンスがやってきたのはその4年後。到津の森公園が飼育スタッフを募集していることを知ったのです。北九州市は縁もゆかりもない土地でしたが、「人と自然をつなぐ」というコンセプトに引かれ、思い切って応募することにしました。

到津の森公園の飼育・展示スタッフとして採用され、最初に担当したのはニホンザル。50頭のサルたちが暮らすサル山に入って掃除をするのですが、水を撒くホースを噛まれて水が出なくなったり、威嚇されたり、慣れるまでは大変でした。でも、毎日見ていると、「あの子はちょっと毛の色が薄いな」「あの子は目が小さいな」など微妙な違いがわかるようになり、1年経つ頃には50頭をすべて識別できるようになりました。

その後、チンパンジーの担当になったときには、初日に手づかみで糞を投げつけられました。「これがチンパンジーか! 手を使って投げるという動作ができるんだな」と感動(笑)。

そのほか、いまはライオン、トラ、などの猛獣も担当しています。大学での研究や前職の経験を生かし、子どもたちに公園内で採集した昆虫の説明をするなどのイベントを実施することもあります。

飼育スタッフになって5年、いろんな動物を担当し、どの動物にもそれぞれ大変さ、面白さがあると感じています。動物園の飼育スタッフは、何より動物が好きでなければできない仕事です。でも、それだけでは務まらない。動物に対する知識はもちろん、動物をしっかり観察し、それをお客様にきちんと伝えていくこと、また動物だけでなく、人や地球環境、文化など幅広く興味を持ち探求していくことが大切だと思います。

私は子どもの頃から、知れば知るほど動物や虫のことを好きになっていきました。同じように、動物を知り、興味を持ち、好きになってもらいたい。そのためにも、動物をもっと身近に感じてもらえられるような活動をしていきたいと思っています。

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