安藤さんショート

2019年、東京から福岡県の北九州市に戻り、生まれ育った折尾(おりお)の街づくりに携わることを決めました。

現在の北九州市は、5つの市が合併してできたものです。折尾は、官営八幡製鉄所のある旧八幡(やはた)市に位置する街で、かつては石炭の輸送拠点でした。
いま折尾駅にはJR鹿児島本線の快速や特急が停まり、4つの大学を擁する学園都市としても知られています。そんな折尾で生まれ育った私ですが、子どもの頃は家の近所を流れる堀川の汚染がひどくて、実はこの街があまり好きではありませんでした。

地元の高校を卒業後、東京の大学に進学。新卒で広告代理店に就職した後、出版社に転職して編集、制作の仕事に携わりました。ちょうど政府が地方創生を打ち出していた頃に政府公報や地域情報を担当しており、いつか自分も仕事として街づくりに関わりたいと考えるようになりました。

30代半ばで東京の別の出版社に転職し、そこで働いている間に、故郷・折尾の再開発事業が動き出すという話を地元の知人から聞きました。計画が明らかになると、駅、鉄道、道路も含め、生まれ育った街がまるごと一新される大規模なもの。これは人ごとではない、直接関わらねばと考えました。

――故郷が新しく生まれ変わる。折尾の街づくりに携わりたい。

そんな思いがどんどん強くなっていき、個人で地元の街づくり協議会に加入し、情報収集をしながら準備をしてようやく2019年、35年を過ごした東京から地元に帰ることを決めました。

帰還して街の人と関わっていくうちに、あれよあれよという間に役職が増え、いまは折尾商連の8代目理事長として、商店街の活性化、祭りやイベントの開催、情報発信などをしながら街づくりに携わっています。本業では行政書士をしながらあかつき舎という出版社を創業。北九州市オールロケで話題になった映画『レッドシューズ』の公式ガイドブックを出版したほか、タウン情報誌『オリナビ』の制作などを手掛けています。

自分にできることは何でもやろうと覚悟を決めて折尾に帰ってきて4年。この街は着実に姿を変えています。ただ、この間にどれだけの実績を作れただろうと考えると、まだまだ足りないと身が引き締まる思いです。
これからも、再開発は進んでいきます。住民や事業者の方のニーズに、しっかりと寄り添っていきたい。「仕事もあって、人との交流も盛んで、イベントも充実している。折尾に住んで良かった」と思ってもらえる街づくりを目指します。

折尾商連 ホームページ

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