
コロナ禍の収束とともにベンチャー飲食チェーンを退職し、飲食店オーナーを対象にした「飲食店経営管理士®」の養成講座を立ち上げました。
19歳のとき、父親が飲食店を経営している同級生から誘われて、居酒屋のホールのアルバイトを始めたのが、飲食業界に携わった最初のきっかけです。大学卒業後は大手自動販売機ベンダーに就職。営業職としての採用でしたが、2年間ひたすら自動販売機にドリンクをセットし続けることに。「人と接する仕事がしたい!」と思い、大手ファストフード会社に転職しました。
飲食の仕事は楽しく、30代でエリアマネージャーになり、そのまま長く働き続けるつもりでした。しかし、たまたま大学時代にアルバイトをしていた居酒屋の同級生の結婚式に出席することになり再会。法人化して、居酒屋ではなくラーメン店を8店舗運営していると聞きました。常務となっていた同級生に「また一緒に働かないか」と誘われ、転職を決意しました。ファストフード会社に残れば、おそらくこのまま出世できる。でも、直感的に、「成長途上にあり、いずれ同級生が社長となるこの会社で働きたい」と思ったんです。
入社後は現場マネージャーとして、大手ファストフード店の仕組みを取り入れていきました。10年のうちに8店舗からフランチャイズを含めて40店舗へと拡大。ところが、2020年、コロナ禍に突入します。これまで進めていた攻めの戦略はすべてストップし、コストカットという守りの戦略に切り替えざるを得ませんでした。創造から削る仕事へ。そこで改めて「自分が本当にやりたいことは何だろう?」と考え直しました。
そんなときに思い出したのが、転職して4年目くらいに参加した、地元・姫路市のラーメン会のことでした。ラーメン店を営むオーナーたちが、「吉留くん、しんどいんよ。もう辞めたいんや……」と言うのです。味は間違いなくおいしい。しかし夢を抱いて創業した経営者たちが、正しい経営を知らないために疲弊していく現実を目の当たりにして、「飲食業は誰かの犠牲の上に成り立つ仕事であってはならない」と思ったのでした。
そして、自分が人生を懸けて取り組みたいことは人助けだ、という結論に至りました。しかし、役員の立場を手放すことは簡単ではありませんでした。安定か、信念か。葛藤の末、コロナ対応がひと段落した2022年に、退職の意志を伝えました。一度は引き止められ、グループ会社として社内起業という形を取りましたが、2023年7月に完全に独立しました。
飲食店の顧問業から始めたものの、1人で支援できる会社の数は限られます。もっと多くの経営者をサポートする手段はないだろうかと考えた結果、2024年8月、オンラインで飲食店経営管理士®養成講座を立ち上げました。
飲食店経営管理士®は協会や企業が提供している民間資格で、当社では飲食店の開業から利益の最大化までをワンストップで学べる講座を提供しています。中心にあるメソッドは「ピラミッド経営」と呼ばれるもので、採用・教育・顧客満足・マーケティング・売上・利益の順に強化し、高い利益を創出する仕組みです。
6カ月間の基礎コースと、11カ月間の多店舗経営コンサルタントコースがあり、動画学習、グループ勉強会、個別コンサルティングのプログラムを提供しています。これまでに約40社の経営者が受講しており、「いま、自分のすべきことが明確になった」という声をいただいています。最初は売上の伸ばし方がわからないと悩んでいた経営者が、当社のプログラムを学んで売上が倍近くに拡大した例もあります。
コロナ禍が明けて、飲食店は新たなフェーズに突入し、付加価値で勝負して売上を伸ばしている会社と、薄利多売で倒産に追い込まれる会社の二極化が進んでいるのが現状です。いまはもう、おいしければお客様が来てくれる時代ではありません。料理の技術や思いの強さはあっても、経営を知らないがゆえに苦しんでいる飲食店オーナーに経営を学んでいただき、幸せの循環をつくっていきたい。まだ道半ばですが、私自身も1人の経営者として、迷い、悩みながら、前に進み続けています。
(構成/尾越まり恵)
19歳のとき、父親が飲食店を経営している同級生から誘われて、居酒屋のホールのアルバイトを始めたのが、飲食業界に携わった最初のきっかけです。大学卒業後は大手自動販売機ベンダーに就職。営業職としての採用でしたが、2年間ひたすら自動販売機にドリンクをセットし続けることに。「人と接する仕事がしたい!」と思い、大手ファストフード会社に転職しました。
飲食の仕事は楽しく、30代でエリアマネージャーになり、そのまま長く働き続けるつもりでした。しかし、たまたま大学時代にアルバイトをしていた居酒屋の同級生の結婚式に出席することになり再会。法人化して、居酒屋ではなくラーメン店を8店舗運営していると聞きました。常務となっていた同級生に「また一緒に働かないか」と誘われ、転職を決意しました。ファストフード会社に残れば、おそらくこのまま出世できる。でも、直感的に、「成長途上にあり、いずれ同級生が社長となるこの会社で働きたい」と思ったんです。
入社後は現場マネージャーとして、大手ファストフード店の仕組みを取り入れていきました。10年のうちに8店舗からフランチャイズを含めて40店舗へと拡大。ところが、2020年、コロナ禍に突入します。これまで進めていた攻めの戦略はすべてストップし、コストカットという守りの戦略に切り替えざるを得ませんでした。創造から削る仕事へ。そこで改めて「自分が本当にやりたいことは何だろう?」と考え直しました。
そんなときに思い出したのが、転職して4年目くらいに参加した、地元・姫路市のラーメン会のことでした。ラーメン店を営むオーナーたちが、「吉留くん、しんどいんよ。もう辞めたいんや……」と言うのです。味は間違いなくおいしい。しかし夢を抱いて創業した経営者たちが、正しい経営を知らないために疲弊していく現実を目の当たりにして、「飲食業は誰かの犠牲の上に成り立つ仕事であってはならない」と思ったのでした。
そして、自分が人生を懸けて取り組みたいことは人助けだ、という結論に至りました。しかし、役員の立場を手放すことは簡単ではありませんでした。安定か、信念か。葛藤の末、コロナ対応がひと段落した2022年に、退職の意志を伝えました。一度は引き止められ、グループ会社として社内起業という形を取りましたが、2023年7月に完全に独立しました。
飲食店の顧問業から始めたものの、1人で支援できる会社の数は限られます。もっと多くの経営者をサポートする手段はないだろうかと考えた結果、2024年8月、オンラインで飲食店経営管理士®養成講座を立ち上げました。
飲食店経営管理士®は協会や企業が提供している民間資格で、当社では飲食店の開業から利益の最大化までをワンストップで学べる講座を提供しています。中心にあるメソッドは「ピラミッド経営」と呼ばれるもので、採用・教育・顧客満足・マーケティング・売上・利益の順に強化し、高い利益を創出する仕組みです。
6カ月間の基礎コースと、11カ月間の多店舗経営コンサルタントコースがあり、動画学習、グループ勉強会、個別コンサルティングのプログラムを提供しています。これまでに約40社の経営者が受講しており、「いま、自分のすべきことが明確になった」という声をいただいています。最初は売上の伸ばし方がわからないと悩んでいた経営者が、当社のプログラムを学んで売上が倍近くに拡大した例もあります。
コロナ禍が明けて、飲食店は新たなフェーズに突入し、付加価値で勝負して売上を伸ばしている会社と、薄利多売で倒産に追い込まれる会社の二極化が進んでいるのが現状です。いまはもう、おいしければお客様が来てくれる時代ではありません。料理の技術や思いの強さはあっても、経営を知らないがゆえに苦しんでいる飲食店オーナーに経営を学んでいただき、幸せの循環をつくっていきたい。まだ道半ばですが、私自身も1人の経営者として、迷い、悩みながら、前に進み続けています。
(構成/尾越まり恵)
著書 『飲食繁盛店だけが知っている「新常識」』







