安藤美玖さんショート

どうすれば女性が自分のキャリアを主体的に切り開いていける社会になるのか。研究して事業化するため、2023年4月から大学院に通うことを決意。私にとって大きなチャレンジが始まりました。

2021年に夫とともに株式会社ICORE(イコア)を創業。ICOREでは、自己理解を深め、自分らしい生き方を形にしていくキャリアスクールをオンラインで提供しています。受講生の多くは、自分らしい生き方、働き方の実現に悩む20~30代の女性たちです。
私自身、20代で夫の海外転勤により一時的にキャリアを諦めた経験があります。ライフステージの変化によってキャリアを中断したとしても、「自分らしく生きていける選択肢を作っておくことが幸せにつながる」と考えて、このプログラムを開発しました。

スクール運営を通して多くの女性たちと接する過程で、女性たちの自信のなさ、自己肯定感の低さに課題を感じるようになりました。自信がないために、キャリアを主体的に切り開いたり、新しいことに挑戦したりすることができない人が多い。
「どうしたら自分に自信を持ち、挑戦する土台を作っていけるのか、もっと学術的に学びたい」
そう考え、幸福学の第一人者である前野隆司教授のゼミがある慶應義塾大学大学院のシステムデザインマネジメント学部(SDM)の受験を決めました。

しかし2023年3月、試験に合格し、入学金を振り込んだ直後に妊娠が発覚。
「あれっ? どうしよう……」
最初はすごく不安になりましたが、共同経営なので、育児も経営も夫と助け合うことができる。キャリアも家庭も諦めなくてもいいということを、自分が身を持って伝えるチャンスだと考えるようになりました。
「もしダメだったら、休学すればいい」
そう考え、予定通り4月から大学院に通っています。出産前の前期に講義をたくさん詰め込んだため、いまは週5日、8コマを受講中。ハードですが、学びが多くとても充実しています。SDMは7割が社会人なので、さまざまな業界で働く人たちとともに学び、グループワークをすることで世界が広がっています。

進学を機に、会社の仕事は少しずつスタッフに任せていくことにしました。葛藤はありましたが、実際にやってみると、自分が全部やるよりうまく回ることも多い。妊娠や大学院進学がなければ、いつまでも人に任せることができないままだったと思います。

大学院のカリキュラムは、来年から研究と論文がメインになります。研究で得たことを事業化し、社会課題の解決につなげていきます。

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